『一億人の英文法──「話すため」の英文法』

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ここでは、『一億人の英文法──「話すため」の英文法』
の使い方を、ご説明します。

こちらは、すでにある程度の基礎ができている方が
英文法の知識を完成させるためのテキストです。

例によって、まず表紙カバーの見返しだとか、
目次をざっと見て、この本の全体的なイメージをつかみます。

それから、全ページをひととおりめくる。
読むのではなく、めくる。

どうですか?
何か感じませんか?

この本は、すごく波動が高いです。

「波動」とか訳の分からない言葉を持ち出さなくても、
紙の質だとか、イラスト、太文字、色分け、枠囲い……等々、
この本を使う人のためにありとあらゆる工夫をしている、
ということが伝わってこないでしょうか?

まずは、そこで一晩辛抱して、潜在意識に落とし込んだ後に、
翌日以降、最初のページからざっとひととおり読んでみてください。

ある程度スピードをつけて読んだ方がいいです。
この厚さの本は、読むのに時間をかけちゃうと、
だんだんエネルギーが重たくなっちゃうから。

 

でも、じっさいに読み始めてみると、感動するはずです。

英語という言葉について──、
人と人がコミュニケーションをするということについて──、
そして読者が英語という言葉を
理解するということについて──、
ここまで本気で、誠実に、知的でセンスよく
アプローチをしているって、ハンパないです。

ぼくは、英文学者じゃないけれど、
ぼく自身の仕事の分野で、このレベルの仕事を
したいと志を新たにした次第です。

言うまでもなく、この本は文法のテキストで、
しかも日本語の英文法書のなかでも、
もっとも評価の高い本のうちのひとつです。

にもかかわらず、「第一文型」だとか「SVOC」といった
英文法お決まりの用語が出てこないんです。

ほんとうに大切なのは、そういうことではないんです。

人が何かを感じたり、考えたりする。
そして、それを表現する。

──それって、どういうこと?、
ってことが判れば、自然と言葉を理解し、
そして使いこなすことができる……、
そういう本なんです。

たとえば、
I know Monet.
I know about Monet.
I know of Monet.

この3つのニュアンスの違いって分かりますか?

あ、Monetって、フランスの画家のモネのことです。

 

あるいは、
I play baseball[tennis/ yoga].
I do/practice judo[yoga].
I ski.

同じスポーツなのに、なぜ使う動詞が異なるのか?

 

あるいは、現在完了形って [have+過去分詞] って無条件に教えられてきたけれど、
なんで‘have’を使うのか、これまで説明をしてもらったことってありますか?

この本は、そういうところを明快に説明してくれるんです。

そして、例文がイケてる。

たとえば、
Whether you cheated on me or not dose’t interest me because we’re through!
(君が浮気をしたのかどうかには興味がないな。だって僕たちもう終わってるんだから!)
とか。

一応、あの東進から出ている本で、受験生が読むことも想定しているんだけど……^^

ちなみに、ぼくたちのように英語の専門家を
目指しているわけではない人たちにとって、
文法学習は完全を目指す必要はなく、
7割くらいの理解で十分だと言われています。

もともと、こちらの教材を選んだ人は、
学校の授業とか、あるいは受験勉強等で、
何らかの文法素養がある人でしょう。

だから、この本についてはスピードをつけて勢いで読んで、
まずざっと書かれていることを読めばいいと思います。

はじめに書かれている「本書の特徴・使い方」にも
書かれていますが、高校生なら1週間から10日で読みきる本です。
まぁ、ぼくたちは高校生ほど学習時間をとれないけれど、
1ページ1分のペースで、1日に20ページ。
約1ヶ月くらいで読み切っちゃいましょう。

これは基本的に、日本語の本です。
だから、まずは英語の学習というよりは、読書のうちの
1冊としてかたづけちゃったほうがいいかもしませんね。

くれぐれも「お勉強モード」で重たくなっちゃわないように!
でも、もういちど言います。
大切なのは、言葉に対する「考え方」なんです。

だから、いったんこれまでの文法知識を脇に置いてから
読まれることをお勧めします。

まず、一度目の文法学習は以上でかまいません。

「一度目?」
──むふふ。これで済むと思ったら大間違い。

残念ながら、一度読むだけでは、あなたの英語力が劇的に
変わるということはないでしょう。

スピードをつけて一度読んだ後、ここでいったん発音練習に
戻るけれど、後でまたこの教材に取り組みます。

そのときは、この教材の例文の意味が解るというだけでなく、
いざというときに自分の口から出てくるレベルを目指します。